EconomentaLy[初回盤]

爽やか(計量)経済学徒を目指しています。ブログ名は某音楽グループのアルバムを参考にしました。

経済学の入門書(計量経済学編)

実証していくうえで計量経済学の知識は不可欠なものです。

そして、理論の理解は絶対に必要ですが、ソフトをつかって実際に実証できる技術も必要です。

まず、計量経済学を学び始める人には統計学の知識が必要となります。

 

経済学の入門書(統計学編) - EconomentaLy[初回盤]

 

統計学を経済学の実証分析に合わせて利用するので、統計学の知識がない方はこちらもご参照ください。

 

さて、まずは入門書です。

 

統計学から始める計量経済学 (有斐閣ブックス)

統計学から始める計量経済学 (有斐閣ブックス)

 

 僕が計量経済学を学びたくて聴講した北坂ゼミ、その北坂先生の本です。非常に容易に理解することが可能です。先生も仰っておりましたが、この本は厳密な定義づけよりも直感的な理解をさせることが目的にありますので、初めに学ぶには良いのですが、この方面で学んでいく人には不十分だと思います。

 

エコノメトリックス (有斐閣Sシリーズ)

エコノメトリックス (有斐閣Sシリーズ)

 

コンパクトな記述ですが、こちらの本も入門としてはお勧めです。

 

 

これらで計量経済学の考え方を学んだ後、以下の4冊をお勧めします。

計量経済学 (新経済学ライブラリ)

計量経済学 (新経済学ライブラリ)

 

 

計量経済学 (プログレッシブ経済学シリーズ)

計量経済学 (プログレッシブ経済学シリーズ)

 

 

計量経済学 (y21)

計量経済学 (y21)

 

 

計量経済学

計量経済学

 

 これらの本にレベル差はあまりないような気がします。しいて言うならば、証明が丁寧か、記述が行列か、という点での違いはありますが…。

僕の勉強方法は、

1.山本[1995]を抑えます。

 山本[1995]は、式の導出が丁寧です。式の展開をきちんと計算して追っていけば問題はないかと思います。また、ほかの本のベースにもなっているような感じです。

2.浅野・中村[2009]は行列・ベクトル等の記述が中心となります。また、山本[1995]で行った厳密な導出は比較的少ないので、1での補完が肝心となります。一方で後半のトピックは大学院で学ぶ範囲にも触れることができますので、学部生としてここまで読んでおきたいところです。森棟[1999]も記述はコンパクトにまとめられていますが、この本の強みは後半の時系列分析だと思います。

 いずれにせよ、山本[1995]をベースにしておき、ほかの本は復習と新しい知識を学んでいく方法をお勧めします。そしてそれぞれの練習問題を解いていくとよいでしょう。

 

次に統計ソフトの活用ですが、僕はR以外ではEViewsとSPSSくらいしか使ったことがありませんが、Rのほうが楽な印象です。(自宅でもできますし)

 EViewsではこの本。

Eviewsによるデータ分析入門

Eviewsによるデータ分析入門

 

 やや理論面には不満が残りますし、誤植(特に検定結果の図)が多いです。

ので、初版はあまりお勧めできません。

EViewsによる計量経済分析(第2版)

EViewsによる計量経済分析(第2版)

 

 この本のほうが安定している気がします。

 

 Rであればこの本をお勧めします。

Rによる計量経済分析 (シリーズ〈統計科学のプラクティス〉)

Rによる計量経済分析 (シリーズ〈統計科学のプラクティス〉)

 

 R関係では多くの本が出版されていますが、なかなか良書は見当たりません。

この本もやや誤植が見られますし、1冊で十分とは言えません。

そこで、僕はRを使いながらの勉強方法として以下のようにしています。参考までに

 

1.山本[前述]などにそって同じ検定などができるようにする。練習問題を使って練習を繰り返す。

2.当然、上の福地・伊藤[2011]には載っていないプログラムがあります。そういう検定や処理はググってしまうのが早いですw というのも多くの人がブログやホームページ上でプログラムを公開しているからです。

3.後は、そのホームページなどで未知の検定をされていることもあります。手持ちの教科書に載っていないような検定方法などが次々と作られています。そこでそういった分析は、いろいろな本を漁ってみるなり論文にあたるなりしていくことが大事です。Rを動かす上ではコードを知っているだけで十分なのですが、当然その分析がどのような場面で、どのような仮定を前提としているか、実際背後でどのような数式が組まれているか知っておかなければ応用させることができません。

 

こうしたプロセスを繰り返しています。

なお、統計ソフトはRである必要はないので、自分に適したソフトを中心に学んでいくことをお勧めしています。

 

最後に僕自身の計量経済学の勉強としては、一通り上の本のプロセスが終了させることが先決ですが、積読しているのが、

Rによるデータサイエンス - データ解析の基礎から最新手法まで

Rによるデータサイエンス - データ解析の基礎から最新手法まで

 

 

 

経済・ファイナンスデータの計量時系列分析 (統計ライブラリー)

経済・ファイナンスデータの計量時系列分析 (統計ライブラリー)

 

 このあたりをきちんとマスターしたいですね。できれば3回生のうちに。

4回生になったら、WooldridgeやGreenなどの上級の計量経済学のテキストに挑んでみたいと思っています。