村井潤一郎『はじめてのR』(北大路書房)について
「R使ってみたいんだけど難しくて」
たしかに、Rについての良い本は少ない印象です。
実際、最初は使いにくい感じもあるかもしれませんね。
さて、今日はたまたま買っていた村井潤一郎著『はじめてのR』(北大路書房)についてレビューをしたいと思います。
- 作者: 村井潤一郎
- 出版社/メーカー: 北大路書房
- 発売日: 2013/10/03
- メディア: 単行本
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初版が2013年9月に出ていますので、約1年前の本ですね。
著者の村井先生は心理学の教授だそうでして、この本以外にもR関係の本を書かれていらっしゃいます。
まずは本の構成について。
1章 Rのインストール
2章 R consoleにおける簡単な計算と統計分析
3章 データファイルの読み込み・Rエディタの利用
4章 記述統計
5章 相関係数の検定・t検定・カイ2乗検定
6章 分散分析
タイトルが如何にも初学者向けの感じです。実際、練習で扱うデータも難しくなく、丁寧に“苦手な人が動かすことを意識”されていると思いますね。
R、とりわけプログラムを書いてソフトを動かすことに抵抗がある人に特に良い本であると思います。
しかしながら、統計学を学んだことが全く無い人にはまず不向きです。
というのも、例えば標準偏差や共分散の数値を出すことは出来るようになりますが、その数値の意味や導出の式がどうなっているかの解説は無いからです。
それらを学んだことを前提に、その上でRを動かしたい!という人がターゲットなのでしょう。
したがって、統計学を学んだことがない人がこの本を読むのは避けるべきだと言わざるを得ません。(注
僕は経済学部ですので、心理学で用いる統計学が何かは存じませんが、この本を使ってRを学ぶには、分散分析までの内容を理解しておく必要があります。
分散分析のRを用いての実践は後日ノートか何かでまとめてみます。お楽しみに。
僕自身、いつこの本を買っていたのかは覚えておらず、いつのまにか積ん読していた感じです。(別のRの本で勉強していました)
実はゼミの科目で数理統計学をやっており、先日に分散分析を学んだので「Rでやったみよう!」と思ったところでした。
中々良書良サイトを見つけられなかったところで、この本の6章に行き着いた、という背景があります。
(注 理論と実践をバランス良く学ぶべきだと思いますので、この本1冊でそれは不可能です。実際、統計学に初めて触れる人は、いきなりRに飛びつくよりもExcelを用いた本をお勧めします。そちらの方がより初学者向けの解説が載っている良書があると思います。
参考までに…(読んだことはありませんがw
Excelで学ぶ統計解析―統計学理論をExcelでシミュレーションすれば、視覚的に理解できる
- 作者: 涌井良幸,涌井貞美
- 出版社/メーカー: ナツメ社
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Excelによるやさしい統計学 (MyISBN - デザインエッグ社)
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